知人から金属ナノ粒子を研究している方を紹介され、ナノテクノロジーの凄さに非常に興味を持ったのがこの研究開発の第一歩であった。当時、金属粒子として頭に浮かんだものが光触媒として脚光を浴びていた酸化チタンであった。酸化チタンが触媒として抗菌・消臭性能があるのは知られていたが、光が当たらなければ活性効果が出ないものであった。白金が触媒として自動車のマフラー等に使われていたので、酸化チタンのような効果があるのではないかという思いから研究を行うようになった。
白金自体に抗菌効果はないというのが通説であったが、金属粒子をナノサイズにすることによりこれまでと違う効果があることが結果として多数出ていた。白金の触媒としての持続性に抗菌効果があれば非常に面白い展開が出来ると考えた。また白金自体の反応性の低さ(持続性の高さ)に着目した。銀ならば酸化が進めば黒く変化するが、白金自体は他のものに対して反応しにくく、さらに他のものを反応させる効果があり、期待できると考えた。
白金・金・銀・パラジウム等のナノ粒子の水溶液を作り効果を検証した。その中で白金が一番色々な菌に対しての効果があったのでそれに特化した研究を行った。
匂いの原因は細菌の繁殖が大きな要因としてあるので、細菌を減少させることが出来れば消臭効果も期待出来ると考えた。尚、当時から抗菌・消臭性の商品は多数存在していたが、抗ウイルスと記載されているものがあまりなかったので、より差別化を図るためにもウイルスに効果があるものが出来れば市場価値が高められると考えた。
研究当時は水溶液を製造して試験依頼をするため、費用面での負担が大きくのしかかっていた。先が見える改良であれば希望が持てるのだが、本当にうまく出来るのかわからない状態での作業のため常に経済的不安がつきまとっていた。その中で励みに出来たのは、これにかかわった全ての人からの期待感のみであった。応援してくれている人たちに結果で報いる事を信じて、諦めない気持ちを持ち続けられた事が良かったと今はそう思える。
ナノという当時の最先端テクノロジーを駆使して、多数ある抗菌剤に対してこの錯体ナノコロイドよりいいものはないと世間から認められる商品に絶対にするという覚悟を持って日々の研究に取り組んでいた。
一番苦労した事は、作成した水溶液が時間の経過とともに変化し、製造してすぐの性能を維持出来なかったところである。最低半年、希望として1年間保存した水溶液でも同じ効果を持つ検証は、時間ばかりが過ぎていく徒労感に苛まれ何度も挫折しかけたが、それでも完成させるという信念だけは持ち続けていた。
人々の暮らしの中で安全・安心を第一に考え、施設や居住空間・移動する際使用する電車・バス・自動車などにも使用され、本当に効果があり皆様に喜んでもらえるものづくりの精神をモットーに日本から世界に向けて発信する事に全身全霊で取り組んでいく所存であります。